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ナスカ的絶賛「旅をする本」
 


星野道夫さんという方が書かれた本について。しかし本の内容だけではない。久々にNHKBSの受信料払ってて良かった!(私の住んでいる地区はBS受信料を払うことが家を建てる時決められている変な地区で常々苦々しく思っていた)という番組。

ある名古屋の大学生が一年かけて旅行に行きたいと思い、スペインのカディスに行き、たまたま星野道夫さんの「旅をする木」という本を入手した。そしてこの本を手放すとき、表紙のタイトルの「木」の字に一本線を引き、「本」にした。「旅をする本」。そして表紙の裏に、「この本に旅をさせて下さい。」と書き、裏表紙をめくったページに自分の署名と場所を記した。またこれが下手くそな、実に味のある字で書かれている。カバーも、勿論帯もなくなっている。



本は人の手から人の手へ渡っていった。旅先で出会った人に、友人へ、知人へ、またある時は古本屋に売られ(こんな貴重な本を古本屋なんかに売るか普通?)そして入手しタイの環境分野への国際協力を約束する調印の仕事をしている京都大職員、京都大卒の生態学研究者の女の子田邊さん(この方のホームページにもこの本のことを書いていらっしゃいます)につなぎ、南極観測隊員から北極地点をめざす冒険家に、本はアジア、ヨーロッパ、北極、南極、と流れ続ける。そしてNHKの取材班の目に留まり、撮影班は順々に、判明したリレー者を探してインタビューしていったという番組。物事、話の面白さは設定で八分は決まるけれどもこんなに面白い設定があるだろうか。ドキュメンタリーではなく映画でもいいくらいだ。(ドキュメンタリーだからこそ十二分に面白いともいえるけれども)


北極地点をめざす冒険家に手渡されたとき、手渡した人は「この本は必ず次の人に手渡されねばならない。だから君は必ず生きて帰れ」という強い無言のメッセージが込められていた。手渡した人はカメラマンで、かつて冬山に7人のクルーとともに登ったことがある。7人はともに命綱でつないだが、自分はカメラマンだったために少し距離を置いて撮影せねばならず命綱を結んでいなかった。もう登り切るというところで一人が滑落し、残りの人々は彼の重みを保ち切れずに谷底へ落ちて行った。ロープを確保していた最後の一人が6人の重みを支えきれず、6人の重みで綱がピンと引かれ、打ち込んでいた杭(?)がバカッと外れ彼は大きく跳ねて落ちて行った。その跳ね、落ちて行く最後の瞬間までカメラマン氏と互いにじっと目を合わせていたという。「その時の彼の目が忘れられない。一生忘れられないだろうと思う。」


このカメラマン氏に、必ず無事に戻れという強いメッセージを帯びて北極地点へ行く冒険家に手渡された。
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本は5人目から後の人は判明したが、タイの日本の本専門の古本屋に売られる前の持ち主から以前が誰だったのか分からない。ここで途切れてしまった。インターネット、facebookその他で取材を重ね、NHKはこれを始めた最初の持ち主にたどり着いた。


ところがなんと。話を聞いてみると、これは彼が思いついたアイディアではなく、彼にはお兄さんがいるのだが、兄が彼に「この本のタイトルに一本線を引いて本に旅をさせるというのが流行っている」と聞いて自分もやってみただけのことだったと言うのだ。しかも彼は単純に旅先でたまたま出会った人にこの本を譲っており、名前も写真も残っていない。驚くべきことに当時それが流行っていたということは、「旅をする本」は何冊もあることになる。


ふーん! というラストだった。最初、こんなメッセージ性を帯びた貴重な本を古本屋なんかに売るかなと思ったのだけれども、ちょっとあれに似てるな、ボトルに手紙を入れて海に流すやつ。でもあれは1対1だけれどこれは本をリレーしてずっと人を結んでいく。誰が考えたことだか知らないけれど、日本人ってセンスいいやついるじゃーん!! 嬉しいぞ!!かっこいいじゃん! 日本人!!


著者兼カメラマンの星野道夫さんは、新婚の奥さんと子供が居たが、20年前にアラスカでクマに襲われて亡くなった。星野さん自身の映像も残っていて番組でも流れた。奥さんは星野さんの書かれた本の言葉に慰められ励まされ、今日までやってきたと話され、中でもこのエッセイ「旅をする木」が好きだとおっしゃったので、私も早速アマゾンに発注。


あれだけの番組だ。必ずNHK総合及び再放送が近くあるだろう。是非おススメの番組です。ナスカ的絶賛。












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